サッカー以外のスポーツに関する記事です。
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2016年
8月
17日
水
気づけば一年以上放置していたこのサイトですが、突如書こうと思い戻ってきました。
というのも、水谷選手が個人で銅メダルを取り、女子団体は感動的なメダル獲得に感情を動かされたからです。
●卓球のすごさ
卓球といえば、根暗、地味、温泉で遊ぶ程度というイメージがどうしても根付いてしまっているのではないかと思います。しかし、世界レベルのプレーを見たらそんなことは思わなくなるでしょう。
おそらく皆さんはオリンピックですでに見ていると思うのでわかると思いますが、世界ランカーの卓球の試合は頭おかしいです。頭おかしいというよりは、人間やめてるレベルですごいです。
わかりやすいすごさといえば、やはり反応速度でしょう。あんな小さい球を至近距離で打ち合うので、動体視力と反射神経が神がかっていないと世界で戦うことはできません。「反応速度」と一口に言っても、ただ速い球を打ち返すだけというわけではありません。
卓球はラバー(ボールを打つ赤と黒のところ)とボール間の摩擦によって回転を発生させ、その回転も使いながら相手を翻弄していく競技でもあります。温泉などで使うラケットは大体ラバーの部分がカピカピだったりしますが、ちゃんと手入れされたものはかなりしっかりしています。速い球をただ打ち返すだけではなく、その間に回転にも正しく反応しながら返球しなければいけないのでかなり大変です、少しでも読み間違えると、一瞬で相手に点を取られてしまうことになります。
●日本のエース水谷選手
「水谷隼」最近この選手の名前をよく見るのではないでしょうか?張本氏が毎回自分勝手に「喝」をいれている某番組で、ガッツポーズにいちゃもんをつけられたりして話題にもなりました。そして何を隠そう、日本人初のオリンピック個人でのメダル獲得者です。以前から強かったですが、ついにその名を歴史に刻みました。
そして、卓球界のイメージの向上・競技人口増加にも強い意志を持っています。
「根暗、ダサいというイメージを払拭(ふっしょく)したい。活躍してプレーを取り上げてもらい、ポジティブな、かっこいいイメージになれば、卓球人口も増えると思っていた」
上記の発言からもその意志が強く伝わってきます。張本氏からいちゃもんをつけられたガッツポーズについても、その思いがあってからのもの。メダル獲得のときの最後の一点は、ずっと映像でも使われるからかっこよく決めたいと言い、見事にそれをやってくれました。
●団体戦決勝で中国に挑戦
そんな水谷選手が率いる男子日本チームは決勝に進み、銀メダル以上を決めて中国と戦います。なんと明日(8/17)の午前7:30からです。NHKでも放送します。
私は仕事に行かないといけないのでおそらくリアルタイムでは最初のほうしか見れませんが、見れる方は最後まで見てもらえればと思います。特に対戦相手が中国なので、最初に言った「人間やめてる」レベルを見ることができると思います。
本当は女子の銅メダルの感激を書こうと思っていたのですが、明日の朝から男子決勝があったので、いつの間にか水谷選手路線に変更していました。なぜオリンピックが色々やってる中で卓球かといいますと、中学時代の部活でちょっとだけやっていたからというのもあったからです。近日中にまた書く気力があれば、卓球女子若手選手の台頭についても書きたいなと思っています。
2014年
9月
28日
日
今回の共通テーマは凍結ということで、何を書こうか悩んだのですがF1のエンジンについて書いていこうかと思います。
モータースポーツにおいて、エンジンは車の動力を生み出す最も重要な要素の一つであり、その性能が車の良し悪しの大きな部分を決めると言っても過言ではありません。
現在のF1では3つのサプライヤー(会社)がエンジン(正確には電力アシスト等を含めたパワーユニット)を開発し、11チームがそれを使用しています。
エンジン(パワーユニット)を作っている3つのサプライヤーとは、以下の3つになり、それぞれ下記のチームに供給しています。
・メルセデスパワーユニット
メルセデス、マクラーレン、フォース・インディア、ウィリアムズ
・ルノーパワーユニット
レッドブル、トロロッソ、ロータス、ケータハム
・フェラーリパワーユニット
フェラーリ、ザウバー、マルシャ
こんな紹介をしたわけですが、今年のF1はエンジンの規格が大きく変更となり、新エンジンを使い始めた結果、メルセデスのエンジンがとても優秀で速いことがレースをするうちにわかってきました。
全体的に見たときにメルセデスのエンジンを積んだチームの車が速い感じがするんですね。
(メルセデスと言うと馴染みがあまりないかもしれませんが、ベンツを作ってる会社と言ったら急に親近感が湧くのではないでしょうか。)
じゃあ他のサプライヤーのエンジンは速くならないのか?っていうと、開発をすればこれから速くなるかもしれません。
しかしそこには問題があって、無条件に開発ができるというわけではないのです。
開発は来年に向けてに限られ、また2015年に向けては現在の約半分の部分についての設計の見直ししか行う事ができません。
なんでまたそんな条件が必要になるかというと、エンジン開発凍結の歴史があるからです。
以前はエンジンサプライヤーがこぞって開発をしていました。
しかしエンジンの開発を行うためには多額の資金が必要となり、青天井のごとくお金を使ってしまうという問題が有りました。
このようなことから、F1はコスト削減のためにエンジンの開発について無期限凍結を行いました。
そしたら開発できるってさっき言ったのは何だったんだとなるわけですが、そこにはエンジンの根本的な仕様変更がおこなわれたからです。
それまで使用していたV8のエンジンから、V6という全く別のエンジンを2014年から使いはじめるから!という決定がされました。
エンジンをいちから作り始めるので、作ったあともそれなりに調整はしないとだめだろうということで凍結していたのが一部解禁となったのではないかと思っています。
ただコスト意識はあるのでそれなりの制限付きということになっています。
最近このことに関連して、メルセデス以外のエンジンを使っているチームが「エンジン開発緩和しようぜ!」と言いはじめたようで、ちょっとしたニュースになっていました。
もちろんメルセデス陣営は「お前ら自分たちが調子悪いからって最初に決まってた規則を変更とかおかしいだろ」と言っていてお互いの露骨さがそれぞれ面白かったりもしますという紹介をしたところで今回の共通テーマは締めようと思います。
2014年
7月
08日
火
先日、イギリスGPの赤旗中に勢いで共通テーマ「七夕」を書いたのですが、その時テキストサイトのスレに赤旗中断中に書いたぜといったら、赤旗とはなんぞやと聞かれたので今回はレースにおける旗の種類や役割について書いていこうと思います。
レース旗はモータースポーツにおいて、ドライバーに対してオフィシャルからのメッセージの伝達方法として古くから使用されていました。メッセージの例としては次のようなものがあります。
「ここ危なくなってるから注意して走れ」
「路面が滑りやすくなっているから注意しろ」
「危ないのはここまでだ」
「コースヤバイからレース一時中断な」
「周回遅れだからゆずりな」
「お前失格だよ」
「壊れてるからピットに戻って直せ」
「レース終了だ」
例としてあげましたが、レース(特にF1)を見るぶんに関して言えば、これだけ知ってれば十分に楽しめると思いますし、これでも滅多に出てくることはないであろうものもあったりします。
最近ではアナログ的な旗だけでなく、デジフラッグという電光掲示板のような電子旗も使われるようになりました。LEDが使用されていてとても明瞭でけっこう主張が激しいです。デジフラッグ以外にも、各ドライバーはステアリング(超高機能ハンドル)で、個別にどのフラッグが自分に対して振られているのかという確認もできるみたいです。さすがハイテクの極みを目指すF1といったところでしょうか。
テレビで見る私達は、黄旗や赤旗が出ているかどうかの確認を、周回数を表示させる部分の色の変化で確認することができます。また、有料のLT(Live Timing)を使えばどこからどこまでがイエローなのかもわかったりします。
画面以外でも、マーシャルが振っている旗を見つけることができたらそこでわかりますね。ちなみにマーシャルとはコース係員の総称です。F1を見始めた頃はマーシャルという単語がよくとびかっていて、てっきりマーシャルさんという名前の人がたくさんいるのかと思っていたりもしました。
それではここで本題にもどそうと思います。
旗には大きな意味合いで分けると、以下の様な3つの分類に分けることができます。
・ステータスフラッグ
・インストラクションフラッグ
・チェッカーフラッグ
それぞれの分類や、その分類に含まれている旗の種類・意味等について、先程の例なども交えながら説明していこうと思います。
2014年
4月
09日
水
4/6(日)にF1第3戦バーレーンGP決勝がおこなわれました。
バーレーンGPの特徴はナイトレース。日没直後からレースはスタートします。ナイトレースになることにより、普段は日中におこなわれ高いはずの路面温度が一気に低下していく状態でレースをしていきます。路面温度が変わるとタイヤの温度にも影響し、これによって走りやすさなどもまた違ってくるので厄介なことになります。
それに加えて、ナイトレースだと太陽光ではなく人工照明なので普段よりは暗くなり(それでも見ているぶんには十分に明るい)、このことも走りやすさに影響していきます。
今回のレースの結果は以下のようになりました。
1:ハミルトン(Me) | 2:ロズベルグ(Me) | 3: ペレス(I) | 4:リカルド(R) | 5:ヒュルケンベルグ(I) |
6:ベッテル(R) | 7:マッサ(W) | 8:ボッタス(W) | 9:アロンソ(F) | 10:ライコネン(F) |
11:クビアト(T) | 12:グロージャン(L) | 13:チルトン(M) | 14:マルドナド(L) | 15:小林可夢偉(C) |
16:ビアンキ(Ma) |
17:バトン(Mc) |
マグヌッセン(Mc) | グティエレス(S) |
エリクソン(C) |
スーティル(S) | ベルニュ(T) |
この試合でもメルセデスが圧倒的な力を発揮しました。終盤のSC(セーフティーカー)導入後に、あれだけ後続を引き離す性能。ここ数年のレッドブルのように車の違いを魅せつけんとばかりに引き離していきました。小林可夢偉は途中まではいい感じに下位の中では順位を守っていたのですが、最終的にチームの戦略ミスにより順位を16位まで落としてしまいました。そしてマルシャが13位になったため、前回言っていたケータハムのコンストラクターズの順位が落ちてしまいました。
それでは今回のレースのハイライトをいくつかあげていきます。
●ウィリアムズチームオーダー問題再燃
前回のレースではウィリアムズのチームオーダーが問題になりましたが、今回も見事に同じチームでそのことが起きました。今回は前回と変わって、「マッサがボッタスよりも速いからマッサを抜かせてやれ(faster than you)」というチームからの指示でした。ですが、前回逆の立場で抜かせてもらえなかったボッタスは面白く無いのでそれをスルーするような形に。結局後ろの車に両者とも抜かれてしまうという、チームとしては頭を抱えたくなるような事態が起きました。お互い1回ずつやりあったので、次にチームオーダーが起きた時にどちらかが大人になれるかが注目です。
●チームメート同士での争いが増加
今年のF1ではチーム毎の車の性能が順位に大きな影響を与えているように思います。そもそも、このF1という競技は、1チーム2台の車をレースに出場させています。なので、ほぼ同じ性能の車(「ほぼ」と言っているのはセッティングなどで微妙に違ってくるため)に2人が乗っているということになります。そして「争いは同じレベルの者同士でしか発生しない」という言葉もありますが、その性能差の違いにより、同じチーム毎に固まっているということがよくありました。そしてその二人での順位争いのバトルというものが多発し、様々なところで見応えがあるレースを見ることが出来ました。
●衝撃のクラッシュ
クラッシュといえば、視覚的にわかりやすく、あまりレースを見たことが無い人なら「レースならこういう動画を見たい!」という人も数多くいるのではないかと思います。自分もレースを見始めた初期頃はそのような気持ちも少しばかり有りました。今ではクリーンにレースをしてその争いを純粋に楽しみたいと思っています。そんなふうに思われていることも多いであろうクラッシュですが、今回は久しぶりに衝撃的なものが起きました。
この動画を見ていただけると分かりますが、ザウバーのグティエレスが、ロータスのマルドナドに横からぶつかられ、宙を舞い回転したような形になるという、かなり激しいクラッシュが起こりました。このクラッシュにより、マルドナドは今年から導入されたペナルティポイント(累積12点で1レース出場停止)3点を与えられてしまいました。幸いにも、宙を舞ったドライバーのグティエレスは、怪我もなく元気だということです。さすが世界一安全な乗り物とも言われるようになったF1カーですね。
なぜこのような事故が起こってしまったか。それには今年変更になったレギュレーション(規則)の変更も少しですが影響をしていると思います。それは、ノーズ(車の前方先端部分のウイングではない部分)の高さが低くなったことです。以前書いた記事の中にあるリンク先にノーズの高さが低くなった理由が詳細に述べられていますが、一言で言うとクラッシュが起きた時にノーズが高いとドライバーの頭に直撃する危険性がある。というものでした。
ですが、今回は低くしすぎたことにより、横から車体を掬い上げる形になってしまい横転という恐ろしい事態が起こってしまいました。東部を守るのはもちろん大切ですがこのような形で横転してしまうのもかなり危険なものなのでもう一度レギュレーションの検討をしてもらいたいところです。
このレースでの私的ハイライトは以上となります。
次回、F1第4戦は中国で開催されます。決勝レースは4/20(日)に開催です。
BSフジでも放送をされるので、試しに見てみたいという方はそちらの方を一度見てみてください。
2014年
3月
31日
月
3/30(日)にF1第2戦マレーシアGP決勝がおこなわれました。
マレーシアといえば、最近だとマレーシア航空機の墜落事件のことを想像する方も多いと思います。決勝レース前にはその事件に関わる人々に対しての黙祷がおこなわれました。
今回はこのレースの結果から見ていくことにしましょう。
1:ハミルトン(Me) | 2:ロズベルグ(Me) | 3:ベッテル(R) | 4:アロンソ(F) | 5:ヒュルケンベルグ(I) |
6:バトン(Mc) | 7:マッサ(W) | 8:ボッタス(W) | 9:マグヌッセン(Mc) | 10:クビアト(T) |
11:グロージャン(L) | 12:ライコネン(F) | 13:小林可夢偉(C) | 14:エリクソン(C) | 15:チルトン(Ma) |
リカルド(R) | グティエレス(S) | スーティル(S) | ベルニュ(T) |
ビアンキ(Ma) | マルドナド(L) | ペレス(I) |
この試合でもメルセデスが圧倒的な力を発揮しました。燃費性能も素晴らしく、他のチームからは頭ひとつ抜けている力があると思います。また、F1新人ドライバーの多くも食らいついていってるなと感じられるレースでした。
それでは今回のレースの面白かった点をいくつかあげていきます。
●小林可夢偉堂々の13位獲得
13位とかへなちょこじゃんおせーよバカヤロー!と思う方も少なからずいるのではないでしょうか。しかし、この順位は実はかなり凄いものなのです。何故かと言うと、乗っている車が超弱小ケータハムであること。そして、フリー走行(より早く走るためのセッティング調整などをするテスト走行)をほぼできなかったにもかかわらずスピードを魅せつけることができたことです。満足にテストすらできていない車を完走させ、13位という順位をとれたことには想像以上のできでした。
また、この13位というのは、最弱の名を争うマルシャとの順位関係にも影響を及ぼします。今回13位をとったことで、小林可夢偉が所属するケータハムは、チームランクングでマルシャの上の10位になりました。最下層で順位争ってどうするんだとなりそうですが、これが結構大事なものになります。なぜかというと、上位10チーム(全11チーム中)はコンコルド協定というものにより、分配金がもらえます。この分配金は10位でも億単位の収入を得ることができるので、資金力の弱い弱小チームにはとても大切です。
●リカルドの不運
トロロッソでの手腕を見込まれ今年からレッドブルで走ることになったダニエル・リカルド。このレースでも早さを発揮し、4位ほどを保ったままレースを進めていましたが、ピットストップせいでめちゃくちゃにされてしまいました。タイヤをしっかりと装着しないままスタートさせられてしまい、ピットレーンでストップ、引き返して装着しなおしている間に順位をあっという間に下位に落としてしまいました。
そしてアンセーフリリース(危険な発車をさせた)と捉えられペナルティをとられることに。ふんだり蹴ったりすぎるレースでした。
去年まで在籍していたマーク・ウェバーは、「コレがレッドブルだ!」(ベッテル優先を揶揄して)とテレビを見ながら言いたくなったかもしれませんね。
●ウィリアムズのチームオーダー(チーム内順位操作)
今回のレースで一番話題性に飛んだものといえばやはりこれでしょう。レース終盤、バトン・マッサ・ボッタスで6位闘いが行われていました。バトンはマクラーレン、マッサ・ボッタスはウィリアムズのドライバーです。そしてタイヤの消耗の関係(消耗が低いほど速い)から、マッサではバトンを抜けなさそうだが、ボッタスなら抜けるのではという判断がウィリアムズのなかでおこなわれ、マッサに対して、"Valtteri is faster than you"(バルテリ(ボッタス)がおまえよりはやい)という無線を送りました。しかしマッサはこれを無視し、ボッタスを抜かせずに結局バトンが前のままゴールしてしまいました。
マッサは昨シーズンまでフェラーリに所属していましたが、No.2としてしか走ることができず、チームオーダーにより順位を下げられることが幾度となく有りました。移籍してきたところでも"faster than you"と言われ、まさかこんなことになるとはと思ったのでしょう。
その結果以下の様にわかりやすく滑稽な結果になってしまいました。
ボッタス 「ざんゆー!」
チーム 「ざんゆー!」
マッサ 「アーアーキコエナイー」
バトン 「やったぜ。」
バトンは結果的に苦しむことなく順位を守ることが出来ました。このことを皮肉ってレース後にバトンはこのようにインタビューに答えています。
「今日の午後は本当に暑かったね! ミラーで後ろのウイリアムズ2台が戦っているのをずっと見ていたら、余計に暑く感じたよ」