サッカー日本代表の監督が、ハビエル・アギーレに変わり、初の代表戦がおこなわれました。
アギーレ監督が指揮をとる初の招集に当たり、5名の初選出選手が名を連ねました。
DF 坂井達弥 鳥栖
DF 松原健 新潟
MF 森岡亮太 神戸
FW 皆川祐介 広島
FW 武藤嘉紀 FC東京
恐らくJリーグを見ていない人はだれだこの人達状態だと思います。そして選出された選手が所属するチームのサポーターも、皆が皆して「まじかよ!?」というような反応が様々な場所で見られるほどでした。
我らがサガン鳥栖の坂井達弥も招集されましたが、その選出には佐助もただただ驚くばかりで、正直最初は誤報かなと思ってしまったほどでした。
鳥栖のCBには、絶対的なディフェンスリーダーである菊地直哉と、韓国からの大型新人ですでに安定感抜群のキムミンヒョクが居座っており、今季リーグ出場4試合である坂井が選出されるなんて夢にも思ってなかったからです。
鳥栖からは他に、鳥栖の絶対的な守護神であるGKの林彰洋が選出されました。
林については今まで選出されないのがおかしいだろうと思うような選手なので、選出は当然といった感じでみていました。
残念ながら豊田は今回選出されることはありませんでした。
最近の調子が悪かったので復調して活躍しているところをまずは見せてくれればと思っています。
鳥栖談議が少し長くなってしまったので、そろそろ今回の本題であるアギーレジャパン初陣に話を戻します。
今回のキリンチャレンジカップでは2試合が組まれていますが、アギーレ監督が「選出した選手は全員使いたい」といっていました。
そんな中、9/5のウルグアイ戦ではスタメンに、新顔の坂井・皆川を先発として起用し、細貝萌や田中順也といった復帰組も名を連ねるなど、今までと違った独自色を出してきた形でスタートしたなと思いました。
それでは以下結果とこの試合の感想を書いていこうと思います。
日本 0 - 2 ウルグアイ
′34 カバーニ
′70 エルナンデス
日本代表スタメン時点での布陣
岡崎 皆川 本田
田中 細貝
森重
長友 坂井 吉田 酒井宏
川島
●選手も心配していた連携
前回のザッケローニ監督の始動は以前のチームを継承するような形となって始まりましたが、今回のアギーレ監督は以前のチームをぶっ壊し、独自色を強く出す指導となりました。
以前のチームがひどかったのでぶっ壊すのは当然だとは思いますが。
そしてザッケローニ監督は人がいいおじさん的な感じでしたが、アギーレ監督はどうもガツガツ来るといったような闘将っぷりを見せつけてくれるのではないかと思っています。
「走れない選手はいらない」という自身の哲学をぶれさせないところが伝わってきてこういう監督は嫌いじゃないです。
その哲学(他にも利き足を重視するなど)に合うであろう選手を今回選出したため、もちろん戦術なども変わってきます。新しい選手が多く入り継続して代表に居た選手も連携に関して心配していたようです。
例えば長友も心配をしていたようですが、試合後のインタビューでは
「もっとバラバラになるかなと思っていた」と言っていたので、ある程度の連携は取れてたのではないかなという部分はありました。特に守備の部分では崩されて危険な場面は格上相手にしては少なかったのではないかと思います。
●少しのミスが命取りとなる守備陣の重責
先ほどあまり崩されなかったと言いましたが、2失点をしてるということはどういうことでしょうか?
試合を見られた方ならわかると思いますが、組織的守備のミスではなく、各個人の判断ミスが大ポカとなり、2点を決められてしまいました。
1点目はバックパスがきたときに坂井達弥がトラップミスをしてしまいました。そこに対してカバーニがしっかりと詰めてボールをかっさらっていき、ゴールに突き刺さりました。
2点目は酒井宏樹がボールのクリアミスをしてしまい、それが結果的に相手へのセンタリングとなったことで決められてしまいました。
少しのミスを突いてしっかりと決めてくるところは世界の凄さといものを見せつけられたように思います。後ろの選手は前線の選手と違い、ミスが即悪い形で結果として出てしまうので気の毒な部分もありますが…。
坂井達弥に関しては、対人はある程度できるようになった感じはしていたのですが、たまの大ポカはサガン鳥栖でもすることがあるので、今回の件でまた大きく成長してくれることを期待しています。
●ゲームメーカー不在で噛み合わなかった攻撃陣
攻撃陣もかなり使い方が変わっていました。最前線は初招集の皆川をTOPに置いて左に岡崎、右に本田です。
中盤はどちらも久々の招集となる細貝萌と左利きの田中順也が並びました。そして中盤の底には森重をアンカー(守備をメインにする人)としておき、守備に比重を置かせていました。
ここで注目したいのは中盤の選手についてです。
通常一人はゲームメイクを出来る選手が一人は入るんですが、今回はその選手が不在でした。有名な選手を挙げるとすれば遠藤保仁でしょう。
森重はアンカーとしても元々出来る選手なので問題はないのですが、細貝萌も実はそのタイプに近く、守備に定評がある潰し屋といった印象があります。
そしてもう一人の田中順也についてですが、こちらは柏レイソルではフィニッシャーというイメージがとても強く、この位置にいるのはなんとも不思議な感じでした。
じゃあ今回招集した中にゲームメイクできる選手は居ないのかよ?ってなりますよね。
いえいえ、そんなことはありません。
鹿島アントラーズの至宝とも言える存在である柴崎岳がいます。
この選手は鹿島アントラーズと高校2年生のときに仮契約を行い、早くから囲い込まれた才能の塊である選手です。
以前は体調不良等でなかなか代表に入ることはできませんでしたが、最近では安定しています。
また、この選手はとてもクレバーな選手で、状況判断がとてもうまく、的にするととても厄介な印象があります。
また、今回初招集され、背番号10を背負った森岡亮太も生粋の司令塔タイプであり、これからの成長が楽しみです
●最終目標はワールドカップの結果
今回の試合で負けたから悲観をする必要は全くないと思っています。
なぜならこの1試合で負けたからといって何があるわけではないからです。
目指していかなければいけないのは4年後のW杯でいい結果を残すということです。今は4年後に向けた新たな選手の発掘や育成・監督が思い描く戦術の浸透をさせることが一番だと思っています。
そのためには、ただ単に勝つのではなく、課題を見つけ、そこをクリアしていくことが重要だと思っています。
ただでさえ集まることや実践をすることが少ない代表チームなのですから、こういった試合でテストをすることはとても重要な事であり、必要不可欠なことだと思っています。
先日のときのようにW杯直前の親善試合で全力を出してしまっても、W杯ですぐ負けてしまってはどうしようもありません。
もちろん勝つに越したことはないのですが、現状把握や新戦力の発掘もせずに、4年後を見据えずに今までの状態でやり続けるというのは愚行もいいところです。
例えば、今回坂井は初招集をされ、スタメンで出場し大ポカをやらかしてしまいました。しかし、代表の試合でやらかしたからこそ、その部分についてこれからより一層注意し、ここから更にいいプレーヤーになるかもしれません。
もしかしたら今回のプレーのせいで、次は招集されないかもしれませんが、1選手として成長することができる大きなきっかけになることは間違いないです。
多くの選手が招集されることでこのようなことが増え、修正をしたり自信をつけたりすることで国内の選手のレベルも上がって来ると思います。
そして4年後にそのような選手が使える選手として成長してくれればいいのではないでしょうか。
日本はスポンサーの力も強力なイメージがあるので、常に勝利を求められるとは思います。選手の選考についてもそのようなことがいままであったかもしれません。しかし、今回のアギーレ監督はいい意味で言いなりにならなさそうな監督なので手腕については期待をしています。
さてさて、今回もだいぶ長くなったのでこのへんで次戦のお知らせです。
9/9(火)にベネズエラ戦が行われます。
19:20Kickoffです。
アギーレ監督は選出したすべての選手を使いたいということだったので、サガン鳥栖の守護神である林彰洋が使われることを個人的には期待しています。
火曜日、朝はテニスの錦織の決勝からはじまりスポーティーな一日になりそうですね。
【追記】
ベネズエラ戦の放送はテレビ朝日系列でおこなわれます。
また、解説が松木安太郎氏と中山雅史氏なので感情爆発の賑やかな放送になると思います。
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