ロッベン、ファン・ペルシー、イニエスタを中心とした豪華な攻撃陣で猛攻を仕掛けてくるオランダ。
ここまで数えきれないほどの好セーブを連発し、GKながら今大会4試合中すでに2度のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出されてるナバスを中心とした固い守りのコスタリカ。
まさに盾と矛といった正反対のチームが交わる一戦となりました。
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それでは試合結果とポイントです
オランダ 0 - 0 コスタリカ
( 4 PK 3 )
●襲いかかるオランダ攻撃陣とコスタリカ守備陣
この試合は予想通りオランダの猛攻とコスタリカの堅守が際立った試合でした。
シュート数が120分で オランダ 20 - 6 コスタリカ というところからも一方的に攻めていたことがわかるでしょう。しかしながら決して一方的だからつまらないという試合ではなく、準々決勝の4試合の中では一番熱い試合と言って間違いないと断言できるほど高いレベルでの攻防だったように思います。その中でもコスタリカ守備陣の凄さを2つあげていこうと思います。
1つ目はオランダが放ったシュートのうち、枠内シュートが8本、DFに阻止されてしまった枠内に入りそうなシュートが8本でした(Stats Zone データ参照)。計16本ものゴールの可能性があるシュートがありながらも、それを1つも決めさせなかった守備陣は、まさに盾と言って相違ないでしょう。
2つ目は強力なオフェンス陣に対しても臆することなくディフェンスラインを挙げ、数多くのオフサイドトラップを決めたことです。この試合延長含め120分のなか、なんとオランダに対し13回ものオフサイドをさせることに成功しました(Stats Zone データ参照)。10分に1回ペースを超えているこの回数は、コスタリカ守備陣の統率されたディフェンスラインの素晴らしさを象徴しているのではないでしょうか。もちろんオランダもオフサイドを数回取られれば嫌でも意識したうえで裏に飛び出していくでしょう。それにもかかわらずこれだけの数字をだしたのは、コスタリカの守備はGKのナバスだけではないんだということを知らしめるようなデータでした。
●勝負を決めたPK合戦
延長でも試合が決まらない場合は手に汗握るPK合戦が待っています。
この試合でも結果的にそうなってくるのですが、延長後半終了直前にオランダベンチが動きます。今までゴールマウスを守ってきたGKのシレッセンに替えてクルルの投入です。これが意味することは、PK専用GKを入れたということです。この采配に観客はいっそう盛り上がったことでしょう。止めれば一躍ヒーロー、それができなければ突如現れた悲劇の主人公となり得る存在が彗星の如く現れました。
国内のサッカーに興味がある方が見ていたら、今回の交代は半年前の全国高校サッカー選手権の富山第一高校PK専用GK田子真太郎君を思い出した方もいたのではないでしょうか。
この驚きの采配で見る側のボルテージも上がる中、見事クルルは2回のPKストップに成功し、オランダを勝利へと導きました。
実はこのクルルはこのPKに対して特別な練習を指定たのかというとそうではなかったということ。一部のオランダ報道によると、正GKのシレッセンは今までのキャリアで一度もPKストップを成功させたことがなかったとか。こういったデータの裏付けを見ると、大一番でのこの交代も納得といったところですね。シレッセンとしても自身が苦手とするPKをクルルが止めてくれてかなり嬉しかったんではないでしょうか。
一方のナバスはPKを一度も止めることはできませんでしたが、これまでの素晴らしい数々のセービングによりこの試合のMOMを獲得し、コスタリカが戦った全5試合中3試合でMOMをとるという化け物レベルの偉業を成し遂げました。試合は負けてしまいましたが下馬評をここまで覆したコスタリカは素晴らしい戦いっぷりでした
この試合の結果により、準決勝に進出する4チームは、ブラジル・ドイツ・オランダ・アルゼンチンとなりました。もしかしたら波乱があるのではないかとも予想されましたが、準々決勝に勝ち上がったのがすべてグループリーグ1位の国など、順当に大会が進んでいっているのではということを感じさせられます。
数日間の休息日をとったあと、次はいよいよ準決勝が始まります。W杯も準決勝・3位決定戦・決勝戦と残すところあと4戦。サッカーの祭典も残り僅かですが、残りも目一杯楽しみたいですね。
準決勝日程
ブラジル vs ドイツ 7/9 (水)05:00 Kickoff 放送:NHK
オランダ vs アルゼンチン 7/10(木)05:00 Kickoff 放送:TBS系列
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