本日は目覚ましをスルーするという失態により7:00に始まったこの試合からの観戦となりました。
名前的にも強豪国というイメージが強いこの2チームの対戦です。
前々回の大会ではW杯を制したイタリアでしたが、前回大会では1敗2分でグループ予選敗退という屈辱を受けての今大会になります。
一方のイングランドは前回大会ではベスト16でした。ジェラードというベテランもいますが、19歳のスターリングをはじめとした若手も交えての選手構成で望みます
例によってネタバレを防ぐために続きはリンクを踏んでからご覧ください。
それでは結果とこの試合のポイントについて書いていきます。
イタリア 2 ー 1 イングランド
35 マルキージオ
37 スターリッジ
50 バロテッリ
●熱い攻防が繰り広げられた前半序盤~中盤
この試合は両者共に激しい攻防からはじまりました。イタリアがポゼッション(ボール保持)が高い状態で攻め上がり、イングランドはパスカットを狙いそこから速攻で攻めていくような形が多かったように思います。両チームともいい見せ場を作るのですが、共に最終的なところの守備はしっかりしていたため、点数が動かないながらも、第3国観戦者として見てもとても楽しむことが出来る試合でした。この攻防を見ていて何とか7時には起きることができてよかったとひしひしと感じています。
●魅せたイタリアの絶対的な司令塔ピルロ
イタリアの司令塔といえばピルロを差し置いて右に出る選手はいないでしょう。司令塔として数多くの正確無比なパスを通しチームのチャンスを演出してくれます。今回の試合も素晴らしいパスをたくさん送っていました。
サッカーキングの「“世界最高峰の演出家”ピルロが語る司令塔の極意」という記事の1ページ目には対談でこのようなことを話しています。
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相手チームの選手とチームメートのポジションを把握しておくことかな。攻撃をビルドアップする時、最も大切なのは、一人ひとりの選手がピッチ上のどこにどうポジショニングしているかを正確につかむことだと思う。相手のミスに乗じてフリーになっている選手や、マークを外して抜け出るタイミングを見計らっている選手、そういった選手が最終ラインの裏を突く動きをしようとした瞬間に、ディフェンスラインの背後へとピンポイントのパスを供給できれば、ゴールに結びつく可能性は高い。相手チームを含めた全体のポジショニングと、チームメートの微妙な動きを感じ取らなくてはならない。
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引用した部分の一番最後の文章部分である、「相手チームを含めた全体のポジショニングと、チームメートの微妙な動きを感じ取らなくてはならない。」
これをしっかり把握していたからこそ前半の先制点が生まれました。
CKのショートコーナーからはじまったプレーで、ボールはペナルティエリア近くにいたピルロへ向かいました。相手のディフェンスはこれは奪わなければいけないと思い、ピルロの前に立ちはだかろうとします。そのときにピルロは味方のマルキージオが後ろにいることがわかっていたのでしょう。きたボールをそのままスルー。マルキージオを見ていたイングランド選手はピルロに釣られたためマルキージオはドフリーに。冷静にゴールにつきさし先制点が生まれました。ピルロが相手と味方のポジションをしっかりと把握したからこそ生まれた得点だとおもいます。
●息を潜めていたイングランド10番の力
イングランドの主力として長年活躍しているルーニーはこの試合慣れない左サイドでプレーをしていました。イングランドの調子はいいがルーニーは消えているというような時間帯が続いていました。しかし、先制点を決められた2分後に目を覚まします。ボールを受け取ると左サイドを駆け上がり速攻をしかけます。高い位置まで行くとクロスを上げたのですが、それが前線にいたスターリッジにぴったりと合います。そのボールをきっちりとゴールに収めて同点としました。
その後は両者ともに譲り合わずそのまま前半は終了します
ちなみにルーニーはW杯本戦への出場は3度目となりますが、意外なことに未だにゴールがありません。今後の試合でW杯初ゴールが生まれるかも注目です。
●しっかりと仕事をこなしたバロッテリ
後半開始直後に今まで決定的な場面をあまり作れなかったバロテッリが力を示します。カンドレーヴァからきたクロスを自慢の高さをつかいヘディングゴール。何かと問題を起こす問題児として名高く調子の波が激しいバロテッリが仕事をしてくれました。
●前回の屈辱から次なる進化を遂げたカテナチオ
イタリアといえば、伝統的に守備が固く、そのことからカテナチオという愛称でもよばれていました。しかし前回大会では1度も勝てずにW杯が終わってしまいました(ブッフォン・ピルロが怪我などで出れなかったことも大きいですが)。この試合でのイタリアはどうかというと、前半から積極的に攻撃をしながらも、守備の最後のところはしっかりとしていた印象がありました。
2点目をとるまでは攻撃的な部分も数多く見せてきましたが、バロテッリが点をとった後、選手交代でバロテッリを下げて、前線からもしっかりと守備をするインモービレを投入したあたりからカテナチオと言われている守備の強さを発揮します。
試合当初から両チームともペースをとばしていたこともあり、両チームは共に攻撃のペースは治まってきました。それを待っていたとばかりに守備的なスイッチを入れ、イタリアはイングランドの攻撃をたやすくはねのけていきました。また、足を攣る選手もイングランドの選手ばかりで、全体のペースをしっかり掴んでいたイタリアの試合巧者ぶりがひかりました。イングランドの選手は若い選手も多く、ガツガツいった結果終盤にガス欠をしてしまった感じを受けました。
試合終盤はそのようなこともあり、面白い展開などはあまりなかったように思いますが、しっかりと勝ち切るイタリアのうまさを見せつけられたような気がします。
●22人が元気な状態で出動する担架
この試合は見ていて楽しいプレーが続出しましたが、プレー以外でもまさかそうきたかと言うような面白い場面がありました。それは、イングランドが同点ゴールを決めた直後の出来事です。
イングランドの選手・スタッフが喜び合い、選手たちがキックオフを待つために所定の位置についた後、担架が出動している場面が映しだされました。そこでフィールド上の選手の数を数えたのですが選手は揃っています。では誰が怪我をしたのか。それはイングランドのフィジカルコーチであるギャリー・レヴィンでした。喜びすぎて着地を失敗し動けなくなってしまったようでした。
試合後のイングランドの監督の発した言葉によると、フィジカルコーチはウォーターボトルの上に着地をし、足首を脱臼したようで、治療のために帰国となったようです。正直言ってベンチの誰かがタンカで運ばれるというだけでもおもしろ出来事だったのですが、選手のコンディションを整え、フィジカル面でのサポートを行うフィジカルコーチが怪我をしてしまったというところでさらに面白さが増幅してしまいました。あまり面白がる出来事ではないような気が書いててしますが、怪我には選手だけでなく他の方々にも気をつけてもらいたいですね。
終盤はガス欠感が拭いきれませんでしたが、全体的にはとても楽しめる試合だったと思います。イタリアの次の試合も注目してみていきたいですし、イングランドもいい攻めを多くしていたのであとの2戦で巻き返すことができるのではないかと期待をしながら今後を見て行きたいと思います。
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ななし (月曜日, 16 6月 2014 00:27)
痛恨の見損ね……
イタリア強いですね。
イングランド好きとしては微妙な気分ですが今後に期待します。
soccer-and-others (月曜日, 16 6月 2014 22:13)
コメントありがとうございます。
地球の真裏でおこなわれてますからね。
寝過ごしとかもしょっちゅうですほんと…。
ピルロは本大会を最後に代表引退宣言もしていますし余計に力が増してると思います。
イングランドは若手の勢いがうまい具合につけば一気に決める力がありそうな気がするので今後に期待したいですね。